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医学生が企業でインターンをしてみて良かったこと3つ【医学生/インターン/スタートアップ】

 

私は1年半ほど前から、医療系スタートアップで長期インターンをしています。

3年生のとある授業でCV(英文の履歴書)を書いた時、"Skill"の欄(通常、専門分野や使えるツールなどを書きます)に書けることがなくショックを受けたのがきっかけでした。

もともと多方面に興味が向いていたため、インターンという選択肢を知った時、「スキルアップできそうだし、なんだか楽しそう!学生のうちに会社で働いてみたい」と思って始めてみました。

今では、あの時インターンを始めて良かったと思っています。普通の医学生生活では知り得なかった人や世界に出会えたからです。

そこで今回は、「インターンをしてみて良かったこと3つ」について振り返ってみます。

以前、「インターンの探し方」の記事を書いたのですが、大変ありがたいことに多くの方に読んでいただいています。合わせて参考にしてみてください。

参考医学生向けインターン募集まとめ【探し方も紹介】

最近では医学生でもインターンをしている人が増えています。しかし医学生を募集している企業は少なく、応募先を見つけるのが難しいです。そこで今回は、筆者が探し見つけた、医学生向けインターンの募集をすべてご紹介します!探すコツも紹介します。

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人脈

医学部の世界は狭いです。しかし、企業には様々なバックグラウンドや専門を持った方が集まっています。主に、以下のような方々に出会うことができます。

  • 医師などの医療従事者
  • IT、Web、マーケティングなどに詳しい方
  • インターン生(医学生などの医療系学生)

最近でこそ、インターンをしている医学生が増えていますが、臨床医というオーソドックスな道以外に興味をもつ学生は、いまだ少数派です。

例えば私の大学では、周りにインターンをしている人をほどんど見かけません。

しかし、インターン先で出会う医学生は、起業や社会課題の解決など、臨床以外の道に興味を持っていることが多いです。いい意味でどこか飛び抜けていたり、何かに打ち込んでいる方が多いと思います。

このような熱意ある医学生に出会えることは、日々の刺激にもなりますし、今後医師となったときにも励まし合える存在となるでしょう。

また学生同士と言っても、仕事仲間ですから、プロジェクトを進める上で意見を出し合ったり、チームで解決すべき課題についてディスカッションを交わしたりします。

そうする中で、「A君は〇〇が得意だ」とか「△△ならBさんにお願いしよう」など、お互いのことを理解していきます。このように深いつながりを持てるというのは、インターンの大きな魅力です。

 

学んだスキルを実践できる環境

2つ目は、現代人として持っておいた方が良いスキルを、必要に迫られて習得し、それを使いこなせるようになることです。

そのスキルとは、エクセル、文章要約、プログラミング言語(例えばSQLやPython、Java Scriptなど)などを指します。

医学生の日常では、これらを実践する場がありません。触れておいた方が便利なのはわかっているけど、他のことで忙しいから後回し、という方も多いと思います。

私もそうでした。しかし、インターンでは毎日これらを使って仕事をしますから、覚えないことには仕事が始まりません。だから必死に覚えるし、分かってくると仕事が捗って楽しいので、良いループに入ります。

〇〇をしたい→新しくXXXを覚える、という繰り返しを経て、新しいスキルが身についていくのです。

 

身につけたスキルはプライベートでも役立ちました。

例えば、スプレッドシートの関数を使って、CBTの勉強計画表を作ったり、条件付き書式(とある条件に沿ってセルの色が変わる)を用いて試験前に一問一答クイズを自作していました。

 

つまり、インターンという環境に入った結果、身につけた方が良いけど、今まで学ぶモチベーションがなかったスキルを身につけることができた、ということです。

 

経営者の視点を知る

会社で行われる意思決定には、しばしばお金が関係します。例えばAとBの選択肢があるとき、どちらがより売上UPにつながるか、スケール(事業拡大)するか、といった判断基準を経営者は持っています。

実際に自分が関わっている事業の経営を間近で見ることは、単に書籍で知らない会社の事例を読むよりも何倍も生きた勉強になります。

経営者の視点を知ることで、将来開業したり、病院の経営に携わる時、「どのような選択を取れば生き残っていけるか」を考える際に非常に役に立ちます。

すぐに経営のスキルを身につけることは難しいですが、こうした視点を持つだけでも十分良いと思っています。

詳細はいざというときに改めて学べば良いですが、感性や考え方は一夜にして身につくものではないからです。

インターンという場で、日々動きのある"生の"経営を見ることで、養われていくと思います。

 

医学部ではビジネスの基礎はおろか、病院経営について一切学ばないため、管理職になって初めて経営を学び始めるといった状況は多いです。国民医療費が年々膨れ上がり、税金で賄えなくなる日はすぐそこまで来ています。

こうした危機の中で、医療現場への理解も深く、かつ経営の観点から改善点を見つける能力は、今後必ず役に立つでしょう。

 

まとめ

今では、以前より医学生がインターンを経験しやすい環境になってきています。起業する医師も増えており、医療ITベンチャーが医学生を受け入れることも多くなっています。一部の医学部では、インターン活動が大学の単位として認められる制度もあったりします。

企業で、いち社会人として働くことで、先にあげた3つの良いことがありました。学生というのは社会人としての所属が決まっていないからこそ、興味次第でどんな領域にも飛び込めるいわば「特権」があります。これは大きなチャンスです。

迷ったら、まずはやってみてはいかがでしょうか。

 

それでは、また!

  • この記事を書いた人

Chika

医学部5年生。将来は医療のしくみづくりに関わりたい。 興味:IT、医学教育、救急・総合診療、産婦人科、公衆衛生

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