Chat GPTを使って疾患別の知識を爆速でまとめる方法【プロンプトあり/医学生/学習効率化】

この記事はこんな方におすすめ

  • 医学生で、臨床医学を勉強している
  • 研修医になっても使える医学のまとめノートを作りたい

筆者は、Chat GPTが流行り始めた2022年末から、Chat GPTを仕事・プライベートともに活用しています。GPT 4.0が登場し、より高精度な処理を任せられるようになり、使い道が増えました。

今回は、疾患知識をChat GPTにまとめてもらうためのプロンプトをご紹介します。

Chat GPTは医学で使えるのか?

医学を学ぶ者として、「Chat GPTは医学でも使えるのか?」というのは気になりますよね。

実際に医学的な質問をしてみると、一問一答の、答えが決まっているものに関しては正答します。日本の医師国家試験の正答率も合格最低点に達したという研究もありました。(参考記事

しかし少し複雑な、場合分けして考えなくてはならない問題に関しては、間違ったことを言ったりします

AIが、空想をあたかも真実のように言うことを"hallucination(幻覚)"と言いますが、これが少ない頻度でも起こってしまうと、臨床現場では使えない代物になってしまいます。

医学生としては、指導医のようにフィードバックをくれたり、論文を引用して最新情報を教えてくれる、みたいなところまで進化してほしいです。。。が、それはまだ先のようです。

 

Chat GPTに医学知識を与えてまとめてもらう

Chat GPTに正確な情報を出させる方法は、こちらが十分な情報を与えてガイドすることです。

この記事では、

Chat GPTを使って疾患の知識を、指定した項目に沿ってまとめ直す方法」

をご紹介します。

これにより、各疾患について、症状、検査、治療...といった項目別に情報をまとめることができ、これをベースに授業や実習で学んだ詳細な知識を肉付けしていけば、自分だけの医学ノートを短時間で作れます。

筆者がプロンプト(Chat GPTへの命令文)を何パターンか試してみて、最も精度が高かったものを公開しています。

この記事を読んだあなたも、ぜひご自身で試してみてください。

※GPT4.0を使うためにはChat GPT Plusへの課金が必要です。(月額$20 / 執筆時点)

プロンプト

方法はとても簡単です。

下記の文章の[疾患名]のところに、まとめたい疾患の名称を入れて、疾患について書かれた教科書の文章をコピペします

[疾患名]が何度も登場するので、入力が大変ですよね。そこでスプレッドシートの文字連結を使うことで更に効率化できます。

Googleアカウントをお持ちの方は、Microsoftでいうエクセルにあたる、スプレッドシートが無料で使えます。新規作成して、各セルに以下のように入れてください。

  • A1: 疾患名
  • B1:プロンプト
  • C1: 参照文章
  • B2: ="次に示す文章は、"&A2&"について説明しています。この文章を参照して、以下の項目に沿って"&A2&"について情報をまとめてください。口調は、~である調お願いします。各項目において、「"&A2&"は」という前置きは省略してください。なお、「など」や「等」は使わないようにお願いします。また、文章内の記載がない項目に関しては、空欄としてください。 "&CHAR(10)&C2&CHAR(10)&CHAR(10)& "## 概要:「" & A2 & "の基本的な概要を教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 病態生理:「" & A2 & "の病態生理について詳しく説明してください。」 " &CHAR(10)& "## 好発とリスクファクター:「" & A2 & "の好発人口と主なリスクファクターについて教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 症状:「" & A2 & "の典型的な症状は何ですか?」 " &CHAR(10)& "## 検査所見:「" & A2 & "の診断に役立つ主要な検査所見について簡潔な文章で教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 診断基準:「" & A2 & "の診断基準は何ですか?」 " &CHAR(10)& "## 鑑別疾患:「" & A2 & "の主な鑑別疾患とそれぞれの特徴について箇条書きで教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 合併症:「" & A2 & "がもたらす可能性のある主要な合併症について箇条書きで教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 治療:「" & A2 & "の標準的な治療法について教えてください。」 " &CHAR(10)& "## 予後:「" & A2 & "の通常の予後はどのようなものですか?」" &CHAR(10)& "## その他:「与えられた文章内の情報のうち、上記の項目に当てはまらなかった内容を記載してください。」"

文字の羅列でなんじゃこりゃ、と思われるかもしれませんが、理解できなくて大丈夫です。A列に疾患名、C列に文章を記入することで、B列にプロンプトが自動生成されます

csvファイルも置いておきますので、ダウンロードしてお使いください。スプレッドシートを開いて、ファイル>>インポート>>アップロード>>インポート場所を「新しいシートを挿入する」を選択することで、上記のセルに動入力しなくとも、一括で入力することができます。

あとは、B列のプロンプトをChat GPTに入れて、出力を待つのみです。

出力された文章をチェック

このような感じで、返ってくるはずです。

これをコピーして、ご自身がまとめているノートにペーストすると完成です。念のため、もとの文章と照らし合わせて、間違いが無いかを確認すると安心です。

筆者も、文章に間違いがないかを確認していますが、この方法だと、もとの文章と意味の異なることを言う、という現象はほとんどないです。

信頼できる使用範囲だと思います。

まとめる媒体はNotionがおすすめ

さて、ここまでChat GPTに疾患情報をまとめてもらう方法を紹介しました。

長く使うことのできるノートを作るには、どのような媒体でまとめるかがより重要だと思います。

医学生はiPadにGoodnoteを入れて書き込む、というスタイルが多いかと思いますが、この方法で書いた知識は研修医になってからあまり使えません。

理由としては、手書きのメモは検索しにくく、編集しにくいためです。

このため、手書きではなく、(デジタル)テキストでまとめることをおすすめします

筆者は、Notionという無料のメモアプリに入れて管理しています。オンラインで同期できるので、PCで作成して、スマホやiPadから閲覧できるのが便利です。

ページ名を疾患名にして、臓器別(循環器、消化器、産婦人科など)にタグ付けをし、臓器別に知識を整理しています。そのうち、各疾患が呈する症状も、データベース化して検索できるようにしたいと思っています。(Notionではこのようなことが可能です)

医学生のうちは、疾患をベースに症状や検査を学んでいきますが、研修医になると症状→疾患という逆の思考回路になります。Notionなどを使うことで、この思考回路の転換にも対応できるノートを作ることが大切です。

Notionを活用したノート作りについては、後日まとめたいと思います。

 

読んでくださってありがとうございました。

医学知識は膨大ですが、ITの力を借りてなるべくスマートに管理していきましょう。

それでは、また!